理学療法士の高木庸平です。
今回は『腹部・内臓へのアプローチ』について記事を書きたいと思います。
目まぐるしく変化する社会の中で、腹部や内臓は様々なストレスにさらされているのは間違いありません…。
不規則な生活、食事、職場環境、人間関係…
私たちを取り巻く環境は自律神経への影響、そして内臓へのストレスに変わります。西洋医学と東洋医学、そして統合医療の考え方は私たち療法士の知識の幅を広げてくれます。
⚫腹部・内臓へのアプローチを知ることで得られること
☑️療法士
内臓の移動力、可動性、自動力の低下が動作制限を起こすことに療法士は着目することで知識の幅や臨床推論の見識を深めることができる
☑️一般の方
呼吸が楽になり、お腹回りがすっきりする。時に便秘がよくなったり、体の動きが軽快になることがある
上記のようなことが体験できると思います。
腹部、内臓のアプローチにおいて、正確な触診や要因を引き出す問診力は特に大切になります。
まずは、腹部に付着する筋群、内臓の関連痛領域を理解しましょう☝
腹部に関わる主要な筋群💡
- 腹直筋
- 外腹斜筋、内腹斜筋
- 腹横筋
- 腸腰筋
腹部の筋肉が硬くなることでその下に位置している内蔵にも負担がかかります。特に、腸腰筋の癒着は横隔膜や胃、肝臓にも影響を与え、不良姿勢や呼吸のやりにくさに関与してきます。
ここで、内臓の関連痛について気になることがあります☝
Q.腹部の筋群を圧迫・伸長するとたまに関連痛が起こります。それは何故でしょうか?
A.内蔵壁にある自律神経終末が感知して発する痛みです。同じ神経路を通過する別の体性感覚と混線して起こると言われています。
※内臓-体性反射区を調べるとわかりやすいと思います。
腹部、内臓を触れる上で大切な骨指標(以下、ランドマーク)とは?
- 肋骨、鎖骨中央、頸窩、胸骨柄、胸骨体、脊椎(棘突起、横突起)、腸骨稜、上前腸骨棘が挙げられます。
- ランドマークを触れることで腹部に関与する筋群の触診が格段にわかりやすくなります。
臨床で把握しやすいと思われる内臓の関連痛に関わる領域と反射区は?
⚫肺:肋骨3~6番目を触れます、関連痛は頸から肩周囲にかけて出現しやすい。
⚫心臓:胸椎2番目横突起を触れます、関連痛は左胸から左前腕内側、左上背部に出現しやすい。
⚫肝臓:右第5.6.7肋骨間を触れます、右頸から肩上面、右上背部に出現しやすい。
⚫腎臓:胸椎12から腰椎1番目を触れます、腹部周囲、膀胱や腰痛として出現しやすい。
⚫膵臓:胸椎7.8番目横突起を触れます、鳩尾より左側に出現しやすい。
⚫胃:左第6.7番目肋骨間を触れます、鳩尾、上背部に出現しやすい。
※臨床上、胃の関連痛が出現する場合、ストレスや疲れを内臓が感じています。姿勢では胃と肝臓、腸腰筋との癒着が問題となることが多い感じです。
普段馴染みの薄い腹部と内臓について簡単にまとめてみました。
痛みを理解する上で腹部や内臓からの関連痛を理解することは、知識の幅が広がり、よりアプローチ展開ができるようになると思います。
皆さんもご興味があれば是非勉強してみてくださいね。
最後までご拝読ありがとうございました。